風が吹き
土ぼこりを舞い上げたりする

そんな風に
目を覆いたくなる時もあるだが
風は
閉塞された部屋のなかのどんよりとした空気を
一掃してくれるたりもする

閉ざされた空間は
閉ざされた心に似ている

閉ざされた中で繰り返される日常が永続し
普遍的現象として姿を現し始めると
その普遍性に辟易としてくることがあるから
閉ざされた心も
外から吹き込む風を欲しくなる

なぜ毎日同じであると飽きてしまうのか？

普遍的な現象を
飽きもせず繰り返す機械にはなれない緩みが
心の中で生まれてはまた消えてゆく

人類という大きな普遍的存在を維持するための部分として
私は存在しているからなのだろう

私は普遍的人類を演じようと仕向けられていると同時に
新しい人類として前進するための捨て石となる様にも
仕向けられているらしい

普遍的な枠に収まろうとする心と
その枠から飛び出すよう誘う風が
すれ違い
渦を巻くとき
私は悩むのだ

昨日まで築いて来た私という普遍性を
ぶち壊したくなる時がある

そしてまた
あの時
ぶち壊さずに
私を維持してきてよかったと
感謝する時がまたやってくるから
風は気まぐれだ

オーガスタ12番par３

風に乗るのがよいのか
風に逆らうのがよいのか
やってみて
結果を見るより仕方がない

所詮
私は
試される捨て石だ
それでいて
普遍的でいようなど思わされるので
悩みも深くなる

あきらめれば簡単でつまらない