古代の神々は
それぞれ
普遍なる存在として
その隆盛を極めていたことなのだろう

語られなくなった古代の言語も
唯一無二の存在として
人々の脳裏に刻まれていたことだろう

さまざまな普遍的存在が
創造され
維持されて来た

そして
維持されなくなり
消滅してきた

消滅するまでの間
普遍的存在を維持するために
消滅しないように
複写により多数化し
同質を維持するために
過ちを正され
異質を拒み続ける努力が重ねられてきた

このようなシステムの中で
前世代の被写体の総和としての普遍物を
後世代の写体が実践することで
普遍物の実存が
世代から世代へと引き継がれてゆく

不幸なことに
このように維持されている普遍物間のはざまで
異質物の正当性が争われることがある

そうなると
普遍物の個々の写体が
総体としての普遍物を代理して
相争うことになる

普遍物が実在し続ける為に
個々の写体には
普遍物への愛が埋め込まれているのだ

その愛が
自己肯定感を育て
同族の信愛
異質への排除や敵視を助長する

個々の写体に増殖され埋め込まれた反応の総体が
普遍物としての実在の実相を担っているようだ