人間が棲める環境は
気温や気圧
空気中の酸素濃度等々で
客観的に記載できる

が
記載された文字の中を
人間が棲むわけではない

文字の中ではなく
この文字が実践されている環境の中を
人間が棲んでいる

文字は
実践されている環境を
写し取るだけでなく
文字で描かれた理想を実現する過程でも
その力を発揮している

文字が実践されることで
人間にとってより適した環境が出来上がるから
人間と文字のあいだに
切っても切れない関係が出来上がっている

環境は
人間の実践だけではなく
他の存在の活動により変異してゆく現象だ

この現象を人間に適した形で普遍的なものにしようと
文字と人間が努力を重ねている
あるいは
祈りをささげている

このような構造は
人間を含めた動物の体内においても観察できる

細胞は
細胞が生き延びる環境を提供しあい
生き延びている

ホメオスタシス

恒常性という普遍への努力を
多数の細胞がそれぞれの役割を担いながら実践している

文字は使わなくても
生体内高分子で
状況を伝えあい
必要な機能を求め
その求めに応じて
機能を発揮しあっている

現象の持続には
その環境の維持が不可欠だ

現象と
環境の間の
動的均衡が維持する機能が高ければ高いほど
普遍性が高まり
より適応的な現象と評価される