植生は
循環しながら遷移している

毎年
季節に応じて
草木が生育し
枯れてゆく

そんな循環を繰り返しながら
湿原が草原になり
やがて樹木が生い茂る森になる

草は
また翌年も繁茂すべく
種を設け
種は芽吹き
成長し
再び種を設ける

これを繰り返すうちに
やせた大地は
栄養豊かな大地となり
樹木が育つ環境が整うようになる

草に
大地をやせたままにする能力が備わっていれば
樹木の生育を阻害し
自らが繁茂し続けることが可能なのかもしれないが
樹木が育ち始めると
日光が大地に届きにくくなり
草の生育が阻害されてしまう

毎年
同じことを繰り返しているうちに
同じことが繰り返しにくくなり
遷移が始まる

循環には
その内部と外部を措定できる

循環を維持する内部があり
この内部の現象が
しっかり制御され
終わりが始まりに連鎖している

これらの現象が
外部と相互に関係しているから
外部との関係から
循環が影響を受ける

遷移は
この外部の影響力によりもたらされる
循環の変調だ

内部は
循環を維持する保守的な力に満ちている

この内部の力が
外部の力に打ち勝ち
あるいは外部の力と強調し
終わりが始まりに結び付け
循環が維持されている

環境への適応能力は
この外部と内部の接点で働く力であり
遷移を遅延させる能力である

生命の循環を維持する生命力が
生命の内部の中心にあり
その外側で
適応能力が外部との境界を維持し
生命の内部の循環を円滑に進める助けとなっている

草の本質は草であり続けることであり
樹木の本質は樹木であり続けることであり
草が樹木に打ち勝つ戦略や能力は
樹木が草に打ち勝つための戦略や能力は
本質を囲む表層的現象だ

内部の本質を外部から守るために
必要不可欠な表層的現象だ

意識は
外部へ適応するための
必要不可欠な表層的現象だ

だからなのだろう
場当たり的で
矛盾に満ちている
そして
外部に翻弄され続ける運命にあるようだ