ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

循環と遷移:虚実入り乱れるコミュニティー


生まれたばかりの赤ちゃんは
言葉を話せないけれど
数年すると
言葉を覚え始め
憎まれ口さえきくようになる


この能力は
なにも人間に限られたものではない


人間の言葉ほど複雑で多様性に満ちたものではないにしても
ジュウシマツなどの小鳥も言葉を使って
コミュニケーションを図っている


小鳥たちは
蛇や鷹などの天敵を知覚しなくとも
仲間が
蛇や鷹がいることを知らせる鳴き声に反応して
蛇や鷹から逃れる行動をとる


仲間の鳴き声で
目に見えぬ敵から
身を隠すのだ


実物の蛇や鷹を本物とすれば
鳴き声の蛇や鷹は偽物だ


そこで
イソップ物語のように
「オオカミが来た」という言葉で
逃げ惑う事態も起こってしまう


コミュニケーションには
実のみがあれば効率的であるが
虚が混入すると非効率になる代物だ


虚実入り混じる潜在性がある中
実のみでコミュニケーションが成立していると
そのコミュニティーは存続し
虚のみで成立していると
逆に衰退する


虚によりコミュニケーションの循環が滞るからだ


小鳥たちも
嘘を排しながら言語文化を醸成しているのだろう


嘘は泥棒の始まりというけれど
嘘は衰退の始まりだ


暴力や権力で
嘘がまかり通れば
大切な何かを失ってゆくことになるのだろう


そんな嘘でも
その嘘でコミュニケーションが循環していると
循環に不可欠な噓になる


嘘が真実になりうるのも
コミュニケーションの特質なのだろう

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