ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

制御と反応:信頼の絆が創造する非物質的実存


「美しい」という言葉がAから発せられ
「美しい」という言葉がBに達すると
「美しい」がAからBに運ばれる


運ばれるのは
「美しい」という物質的な音であったり文字だけではなく
美しいバラの花のイメージであったり
美しい異性のイメージであったり
美しい夕焼けの空のイメージであったりする


こうした感覚が
物質的な「美しい」と共に運ばれる


この感覚は
「美しい」という物質的言葉が
本来的に持つ属性ではない


この言葉を理解し使用する人間が付与し
維持し続けている属性である


言葉そのものではなく
言葉を操る存在による付与された特性ということだ


インシュリンも
それを発する膵臓細胞と
それを受容する細胞の間で成立する秩序において
「血糖降下」という意義を付与されている


昆虫たちのフェロモンや
植物たちの匂い物質も
その物質そのものが本来的に持つ特性以外の機能が
それを放出する主体および
それを受容する主体の反応により付与されている


猫にマタタビを与えると
なぜか喜ぶように
人間にお金を与えると
なぜか喜ぶ


反応するということと
反応させるということがかみ合うと
そこに新たな意味が生まれる


この意味を維持する信頼関係の中で
反応する側と
反応させる側が
互いの特性を維持し続けている


この構造の中で
意味や意義が流通する


平和的協調関係のみならず
敵対的対抗関係も
相互の信頼関係の中で維持される


一般的に
信頼とは呼ばないのかもしれないが
いつも憎まれ口を聞く人が
憎まれ口を聞くことは
信頼というに値する行動だ


きっと憎まれ口を聞くと思っているところ
憎まれ口を聞くということは
想定を踏襲する事態であり
こうなるだろうという信頼関係が
互いに構築されているということができるからだ


ライオンを見つけたインパラは
ライオンがいない方へと逃げる


ライオンもそれを見越して
この先に仲間が先回りしていたしする


この予定されたインパラの走路と
違う方へインパラが逃げて行ったら
その行動こそが
ライオンに対するインパラの信頼のおけない行動ということになる


お金をもらったら
喜ばなくては
貨幣経済の中で
信頼されないということだ


お金をもらうと喜び
お金を奪われると悲しむ


このような感情があってこそ
貨幣経済の構造が保たれるというものだ


だから小判を見て喜ばないネコは
貨幣経済からのけ者にされている


お金が降ってくると
我先に奪い合ってこそ
貨幣経済だ

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