ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

平衡と遷移:同時的平衡と経時的平衡


半透膜を挟んだ水溶液の間には
ショ糖濃度の差が浸透圧の差となり
水溶液の高さに差が生まれる


この様に
半透膜の性質(水は通すがショ糖は通さない)が
不均一な平衡状態を作り出すことが出来る


同時的な平衡状態が
半透膜により維持される


炭素と水素や酸素の結合も
有機化合物と水や二酸化炭素を別物に仕立て
水素酸素炭素を不均一な状態へと導いている


このような同時的平衡状態とは別の平衡状態がある


たとえば
大気中の水は
水であったり水蒸気であったりしながら
川になったり
雲になったり
海になったりしながらも
同じような状態を維持しながら循環している


この川を流れている
とある水分子は
このような循環をしながら
またこの川に戻ってくる日が来るのかもしれない


このような循環の中で
雪解けの頃や大雨の時には
川の水は増加し
そうでないときは
川の水は減少する


季節変動に応じて
雨期乾期があれば
循環の中の平衡が崩れ
水かさが増したり
水かさが減少したりもする


平衡状態は遷移するのだけれど
同一方向に遷移するだけではなく
時間がたてば
また元の平衡状態に戻るように遷移し続けている


このような遷移の循環がおこり
経時的に平衡状態が維持されていることもある


季節や
潮の満ち引き
といった物理的な循環もあれば
細胞周期や
生活環などの
生物学的な循環も経時的平衡状態にある


冬と夏は異なる不均一な存在であり
その不均一が交じり合うような季節が
春や秋と言えるだろう


子供と老人も不均一な存在である


そして
何時の時代にも
子供と老人がいる


このように
不均一が維持される平衡状態が存在している


それぞれの平衡状態には
それぞれの平衡状態を維持している理由がある


この理由にむずびついた複数の存在が
システムとなり平衡が維持されている


このような統合的結合の中で
平衡状態が成立してゆく過程が
自己組織化である


平衡状態は
崩れればなくなり
別の平衡状態に移行する


このような平衡状態の遷移を
自然選択と言い
統合主義的な思索が展開され
今ある平衡状態が維持している機構を
還元主義が解明を進めている


不均一な平衡を維持する力は
神様なのか
偶然なのか
どちらであっても
平衡状態が崩れれば
また別の平衡状態への移行がはじまる


そして
自由は
平衡状態の揺らぎの中にある

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