様々な存在が寄せ集まり
不均一な平衡状態が維持されている

私もそんな平衡状態として維持されている

身体も精神も
そんな平衡状態を維持するための部分だ

心臓も肝臓も
脳みそも手足も
そんな平衡状態を維持するための部分だ

何かが欠けると
たちまち平衡は崩れ
私という状態も消え失せよう

漫画のように
首から上だけでは生きられない

眼だけが身体から離脱して
ドローンのように空高く飛び上がり
幽体離脱をしたような世界を見ることが出来たら
さぞ
楽しいこともあるのだろうが
身体から離脱した目は
きっと何も見えはしないのだろう

平衡状態が
個体という単位で保たれるよう出来ている

平衡状態を維持する機能が
相補的に
それぞれを不均一な存在として維持している

平衡状態にあるということが
素晴らしく不思議な状態だ

太陽の周りをまわり続ける地球が
その重力と公転による遠心力のバランスを保てているのように
様々な不均一が複雑にバランスを保ちながら
生命の平衡状態が維持されている

言葉は
そんな多重なバランスの中のひとコマを
還元的に取り出し
さも
それがすべてのように言い立てたりする

そんな言葉の自由が
保たれていたバランスを崩し
新たな平衡へと遷移するきっかけになったりする

時代を動かす言葉たちだ

言葉は
平衡状態になくても成立する

その自由は
遺伝子工学などの技術を推し進め
生命の平衡状態のバランスをも
変えられるように進化を続ける