ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

生命と反応:日常の精神というもの


法律に飲み込まれ生きているから
法律に守られているのか
あるいは
法律に守られたいから
法律に飲み込まれているのか


法律の外の無法地帯には
自由があり野蛮がある


キリストにはキリストの法があり
イスラムにはイスラムの法があり
日本には日本の法があり
ヒンズーにはヒンズーの法がある


段々畑には法面があり
雑草でおおわれている


法面は上の畑と下の畑を区別する隔壁となっている


この隔壁が
上の畑と下の畑の秩序を分けている


私は
法で仕切られた枠の中で暮らしている


この枠の外には
別の暮らしがあるのだろう


まだ見ることのない
華やかな暮らしがあるのだろう
いや
思うのも恐ろしい
みじめな暮らしが待っているのだろう


段々畑を遠くから眺めると
植物の組織の顕微鏡写真を思い出す


法面は細胞壁だ


壁の内側で
壁の外では生きられない面々が
あくせくと動き回り
壁の内側を謳歌している


壁を壊してはならない


壁のを拡げるのだ


壁の向こうを
壁の内側に変えてゆくのだ


法を超える訳ではない


合法なのだ


成長するということは
隔壁を押し広げてゆくことらしい


大会社になると
大国になるということも
同じように
隔壁を押し広げてゆくことらしい


人間が大きくなるということも
同じようなことなのだろう


横柄なものである


無法地帯や
自然は
縮こまるより仕方ない


品のない野生児どもを
教育しなければならないのだ


この教育の成果なのだろう
私の精神の内側に
様々な法面が形作られ
その法面を境に
上と下が入り乱れている


全体を見渡せば
谷底には清流が流れ
尾根には眺望の良い道が連なってる


ところが
日常は
段々畑の片隅で
法面に囲まれた狭い精神の中にある


目の前にある土手草を刈り
美しい法面を作ることに忙しく汗を流している


いや
実に何のことはない
笑顔で明るく
土手草刈りに汗を流している

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