ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

生命と反応:験担ぎという帰納法


目的は
未来を見据えている


目的を認識するには
そうすることにより
どうなるかを予想することを伴うということだ


「待ちぼうけ」の農夫は
株につまずき転んだウサギをとらえた成功体験を
「またあるはず」と待ち続けた


この逸話は
帰納法は必ずしも正解ではないことを
実にうまく表している


同じように
同じことを繰り返せば
同じことがそれに続いて起こるだろう
という
実践的帰納法は
いわゆる
験担ぎというして
普及している推論法であり
必ずしも正解ではない


前例踏襲も
帰納法による目的達成を根拠として
広く実践されている


こうした前例踏襲が
目的を達成し続けると


理屈はともかく
今までそれでやってこれたから
これからもそれでよいはずだ


ということになり


さらには


今までこれでやってこれたから
これからもこれでなければならない


というふうに強化されてくる


言語は
こうした前例踏襲を論拠として
成立している


赤色は
アカであり
シロではない
レッドでもよいのかもしれないが
やはり
アカでなければならない


前例踏襲されながら
様々な言葉が
承継されて来た


同じことを繰り返すことが出来る能力が
この
前例踏襲による言語体系の維持管理を
可能たらしめて来た


同じことを繰り返す能力が
験担ぎの文化を承継してきた


そして
この能力が
目的を醸造してきた


目的があるところに
同じことを繰り返す能力が潜んでいそうである


目的達成は
再現力による未来創造と
言い換えることもできそうである


言葉が通じるということ


命が維持されるということ


いずれも
再現力があり
初めて成し遂げられている現象である



刈られても刈られても
雑草が伸びてくる


この雑草の再現力も
何かの目的を醸造しているのだろう


きっと
何かの験を担いでいるに違いない


雑踏たちは
過去を帰納し
それを再現しようと力いっぱい
空に伸びているに違いない

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