ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

生命と反応:遥か遠くに浮かぶ心の高みにて


何の屈託もなく昼寝していると
意識が遠くにぼやけ
それでいて
幸せな気分に浸ることが出来る


あれこれと
思索を巡らせ
忙しく意識の中に没頭している時の様な
高揚感から離れ
まどろんだ
幸せな気分に浸ることが出来る


縁側のひだまりで昼寝をしている猫の様な気分である


サバンナの木陰で
満腹のライオンがそうするように
目を時々開けて周囲を眺めるが
また睡魔に襲われるのか
元の位置に頭を戻して目を閉じる


敵も味方もない


敵であることも
見方であることも
意識と一緒に
遠い世界へ離れてゆく


憤り目を見開いていた顔も
悲しみの中でゆがんでいた顔も
今はない


本当は
為すべきたくさんのことを抱えていた


昼寝などしている暇などない


怠けて昼寝をしていたのだ


ちょっとした罪悪感と共に
目をこするのだけれど
ぼんやりした頭は
まだまだ平和ボケの中にいる


怒りも
悲しみも
遠くに追いやり
私だけ取り残され
昼寝の床の上で頭を持ち上げる


その時
だらしなく半分開いた口から
よだれがたれた


「ああ
 このよだれのために
 私は生きているのではなかろうか」


ちょっと昼寝をするつもりが
気づけば
夕暮れが近づいていた


この心持に戻れなければならぬのだろう
憤り目を見開いている時も
悲しみの中で顔をゆがめている時も
この心持を思い出すことが出来なければならぬのだろう


生きることを超越するのだ


無防備な丸裸で
核搭載ミサイルに立ち向かう覚悟で
生きることを超越しながら
生き永らえるのだ


高尚な心が
よだれを垂らしながら
空に浮かんでゆく


地に足をつけずに
空へと舞い上がる


ああ
何という穏やかなまどろみなのだろう


あと一時すれば
私はまた
信号機の色の変化に一喜一憂しながら
信号機の色の意味を噛み締めることになるのだろう


信号機の色は
それぞれの正義を象徴している


戦争には
それぞれに違う正義を宿した信号機があるのだろう


交差点は
危険な空間だ


様々な正義が
高尚な空から舞い降りて同じ時空に交差を繰り返す

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