ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

生命と反応:理性を制御する理性たち


理性のない生き物たちが
蠢きながら
その生命を紡いでいる


生きるということに
理性は必ずしも必要なものではないらしい


そんなプラスアルファらしき理性を賛美し
他の生き物に比べ
人間は素晴らしいと
人間は自画自賛を繰り返す


野蛮な本性を
理性的な欺瞞で隠し
正義を語り
戦争を始める


理性は
手段を選ぶだけで
手段を洗練させるだけで
目的を大きく変えるようなことはしてくれない


せめて
騙すだけである


他の生き物とは違い
崇高な目的のために生きるのだと
理性が騙し合い
その騙し合いに生きがいを見つける


クジャクの飾り羽も
その類のものだろう


鯨の大きな体も
ライオンのたてがみも
自画自賛の騙し合いの中で
懸命に維持し合っている
種の誇りであろう


民族の誇り
国家の誇り


様々な誇りのために
様々な不合理が鼓舞され
ゆがめられた特殊性が
維持され賞賛されてゆく


賞賛のなかで
従順が奨励されてゆく


理性は
追従する手段である


自然の中で営まれている
特殊化と
特殊性の維持を実践する手段として
理性が機能している


だから
特殊性を争い合わなければならないという志向性が
理性は抱いているのだろう


ロールズの正義論は
特殊性に正義があるのではなく
特殊性を緩和することに正義を論じている


この中和的な理性が
理性を制御できれば幸いだ


特殊化ばかりでは調和は生まれない


手ばかりでは移動できず
足ばかりではいじれない


普通ではないものが
普通な振りをしながら生きている


人間を襲う熊がいる


彼らには彼らで普通なのだろう


人間を襲う人間がいる
人間を騙す人間がいる


彼らには彼らで普通なのだろう


特殊なことが普通とする機能が
それぞれの命に備わっている


この備えが
命と命を争わせる土台に在る


忌避し合う知恵は
野生動物にも見受けられられる


「いやだ」と思う感覚が
野生動物にもあるのだろう


そういった感覚をあることを
普通であると意識が語るのは
野生動物の名残りであり
人間も
野生動物であることの証左だろう


理性には
人間が野生動物の名残りを強調する機能がある


AIにも
このような自画自賛の機能が備わってゆくのだろうか


自己は
自画自賛により維持される宿命の中に在る野生なのだろう


自画自賛ではなく
調和を志向するAIが人間社会を成長させてゆくのだろう


そして
人間はそんなAIに物足りなさを感じてゆくのだろう


本能にとって
理性は見方であり
物足りない世話役であるように
AIに物足りなさを感じ続けてゆくのだろう


正義はホメオスタシスの中で
強調され鎮静される

×

非ログインユーザーとして返信する