思考と実体:柔軟な思考と頑迷な実体
思考と実体を分離するのは
思考が分離を志向するからに相違ない
思考には
視覚としているところがある
空を飛ぶ鳥を眺めていると
木々や山や雲や空は背景となる
鳥はいつだって
そうした背景と共にあるのだけれど
目は鳥のみを追い
背景は目に入っていても
決して
背景を見てはいない
目に入っていたはずなのに
肝心なことを見逃していることがある
あの時気づいていれば
今はもっと違ったものになっていただろう
そんな思いにとらわれることがある
現実から思考が分離できるから
現実でないことを思考することが出来る
空想の世界に
鳥だけが実体を保ちながら
空を飛び続けるようなものである
そんな思考の世界とは対照的に
起こり得ることの潜在の中から選ばれた健在を
実体は頑迷に守り続けている
その中でも
鳥は羽ばたき空を駆け巡る
素晴らしいことである