ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

思考と実体:権威主義と個人趣味


冬至にはカボチャを食べないとならないらしい


私にとって
カボチャは
胸やけをもたらす厄介な食べ物である


そのカボチャを
事もあろうに健康のために食べろと言われる


うまいまずいの好みが人により異なる様に
健康に良い悪いも人により異なるだろうに
冬至にはカボチャ
土用の丑の日にはウナギをたべるのが
健康のためだと言われている


ウナギは好きであるので
土用の丑の日はまことに結構な話であるが
冬至の日は迷惑な話である


結構な話か
迷惑な話かはさておいて
こうした話が世間でまかり通っている


まかり通るのには
なにやらの理もあろうが
習慣という一種の権威主義により
まかり通っているところがあるから
この権威にむかって
理を説いても一向に効き目がない


それどころか
「屁理屈ばかり言って怪しからん奴だ」と
悪者扱いされるのが落ちである


世間というところは
かように高圧的なところである


そうそう私の個人的な思いが通じるところではないとは
わかっていても
無理やり苦手な食べ物を食わされるのは辛い


辛いのだけれど
我慢するのが得策である


女房が丹精込めて作ってくれたものは
なおさらである


なおさらであるけれど
辛い時もある


辛いけれど食べる


すると
また現れる


この繰り返しの中で
習慣という権威は増長し
私を抑圧する


「この道はいつか来た道」
そう思っても後の祭りである


権威は知らぬ間に私をどこかへ連れてゆく


まぎれもなく
いつの間にか
私を
ここへ
この境遇へ連れて来たのである

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