ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

 動的秩序は規則的反応の調和的集合体。ルアーは反応をもたらす物質の最適化の象徴。情報の流れの中で規則と調和が繰り返えされる。

英雄という捨て石

子供のころテレビのヒーローに憧れた


危険を顧みず正義を貫き
誰からも応援され喝さいを浴びるヒーロー


そんなヒーローの原形をペンギンの行動に見て
一つ大人になった気がした


氷の割れ目のわきでたくさんのペンギンたちが
押しくらまんじゅうをするという


氷の割れ目から海に入らなければ魚を捕れない
しかし、ともすると
氷の割れ目の下には
お腹をすかせたアザラシが
「ペンギンよ、早く飛び込め」と
今か今かと待っている


そこでペンギンたちの押しくらまんじゅうである
足を滑らせて氷の割れ目に落ちるペンギンが現れるまで
押しくらまんじゅうである


運よくアザラシが不在であれば
落ちたペンギンはヒーローだ
このヒーローに続いて
次々とペンギンが海の中へもぐってゆく


運悪くアザラシが待っていた場合には
悲しきヒーローになる
ペンギンはこぞって後ずさりをして
別の割れ目に移動する


功利主義はこのようなヒーローを待ち望む
そして現れたヒーローを賛美する
名誉
報酬
美しきヒロインの心
リスクを背負って成功したヒーローに
補償すべき様々の物語が議論に供される


平等主義はこのような突出したヒーローの無き世界を希求する
必要とあらばその役を担うべき者をいかに選ぶべきか
どう対処することが人間として正義に資するのか議論する
お腹を空かせて議論する


それにしてもどのようにして誰を選べば良いだろう


権威主義的命令系統はやはり必要だろうか
反抗的な者が選らばれるだろうか
いや、従順な者が選ばれ権威高揚が目指されるかもしれない


あまりにも人間的な英知はどこにあるだろう


ああそうだ、水中カメラがある
人間の英知の結晶で海の中を観察するのだ


抽象的イデオロギーを愛する者にとって
現実的技術解決は
真につまらないアウフヘーヴェンにちがいない


天は
機械の上に人を創らず
機械の下に人を創らず


そう、天は機械を創らなかったのだ


天の意を離れ
機械を介して人と人が連なるシステムに
動物の心が涙する日は来るのだろうか


ーーーーー
メモ
リチャード・ドーキンス著「利己的な遺伝子」紀伊国屋書店
ペンギンの話を確かこの本で読みました。


生物が生きるために遺伝子が機能しているのではなく、
遺伝子が生き延びるために生物が懸命に働いている。


すなわち、生命の主体は身体でなく遺伝子である。
こんなコペルニクス的転回のある生命観がこの本の醍醐味です。


ありがとうございます。



×

非ログインユーザーとして返信する

あと 2000文字

※は必須項目です。