話すメリットがなければ
話すことは無くなり
聞くメリットがなければ
聞くこともなくなる

メリットのある局所で
話し
聞き
会話が成立する

デメリットしかない会話は
長続きせず
消えてゆく

こうして
会話のある所に
会話が盛んになり
関係が濃密になり
会話の意味も
より大きなものになってゆく

話すことと聞くことは
刺激と反応だ

反応がなければ
刺激の意味は低下し
刺激がなければ
反応することの意味も低下する

刺激と反応が繰り返されるところには
その刺激
その反応の意味が成立しているからなのだろう

雨が降り出すと
濡れないところに身を隠す

強い日差しを避け
日陰に身を隠す

雨に濡れることに
強い日差しに曝されることに
不快を感じるのは
そう反応するようにできているからだ

組み込まれた
予定された刺激があり
それに他知る反応が仕込まれている

予定された言葉に
予定された言葉を返す

おはよう

おはよう

今日もいい天気ですね

ああ
今日は一日晴れそうだ

繰り返される会話の中で
会話の意味が増長してゆく

会話の意義は
会話の内容だけにとどまらない

無意味な会話も
徒労などではない

雨が降ったら濡れないように身を隠すことも
きっと
徒労なのではないのである

オートポイエーシスの中
意義が生まれつづける

オートポイエーシスが生まれ続ける