ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

全体と部品の主体性


全体主義は
個人と社会の関係を
細胞と個体の関係さながらに
個体や社会に主体性があり
細胞や個人には主体性がない
そう考える傾向がある


自由主義は
個人と社会の関係を
大腸菌と大腸菌集団の関係さながらに
個人や大腸菌に主体性があり
社会や大腸菌集団には主体性がない
こう考える傾向がある


社会が分業により効率的に機能するためには
個人は与えられた役割を忠実にこなすことを優先し
自由を放棄しなければならない


高等生物は
細胞個々の自由をないがしろにして
個体の機能を数多く取り揃え
かつ
機能間の調和を成立させ
全体主義的システムを作り上げている
このようなシステムは
自由がもたらす
機能の欠落
機能間の調和の欠落に抗し続けなければならない


抗せない場合は
自然淘汰に供される
そのため
システムは部分を監視し
不全なるものを排除し
全うなるものを補てんし続ける


高機能を維持するためには
絶え間ない努力が必要だ


だから
高機能の塊である人間は
大腸菌のように気ままではいられない


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メモ


機能ごとに
その優劣がある


機能と機能の関係の調和にも
優劣がある


高機能の塊は
優劣の塊でもある


高度な社会や
高度な生き物になるに従い
考え得る優劣の差は大きくなる


この差を巡り激しく競争すると
全体を構成している部品が洗練される


良いものと悪いものが
より厳しく選別されるということだ


この選別の湯加減が生ぬるい場合には
全体主義をたきつけて
もっと厳しく部品を鍛えあい
この選別の湯加減が熱すぎる場合には
自由主義が冷や水を浴びせ
互いに優しさを提供し合う
このように
部品たちが協律的に温泉を楽しめるのが
折衷全体自由主義だ
平たく言えば
民主主義だ


人間社会は緩やかに調和している全体だ
だからだろう
身体のように一枚岩ではないけれど
大腸菌の集団ほどばらばらということもなく
ほどほどのまとまりがついている


全体の力は全体を志向し
個人力は全体の志向に乗り
あるいはそれに抗しながら
総論賛成各論反対を繰り返す


全体の調和に支障をきたす
自由もしくは突然変異は
秩序維持よりも
アプリオリな現象である


アプリオリな存在ゆえに
敬意の対象であることもあるが
排除すべき対象として強調されることもある
極めて両義的な存在だ


秩序全体を主体として思考ために
両義的になるのだ
アプリオリをコントロールしようとする秩序の
アポステリオリな存在としての宿命だ

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