出口のない旅
出口のない旅をしている
いつの間にか
また
同じ場所に戻り
歳ばかりを重ねている
円には
始まりもなく
終わりもない
そんな円をたくさん描きながら
旅をしているようだ
地に足をつけぬまま
歩いているかのようだ
晴れやかな日には
晴れやかに
雨降りの日には
濡れながら
たくさんの円の上を
歩いている
固く結ばれている円もあれば
切れてしまいそうな円もある
すべての円が切れた時
私は落ちてゆくのだろう
出口のない旅をしている
私が行き先を決めている
決めてはいるのだけれど
なぜか
また
やり直しの円の上にいる
この円を
誰が創っているのだろうか?
私ではない誰かが創っている円
円と縁
出口のない旅をしている
行き先を知っているふりをしながら
また出口のない旅をしている
いつもと同じ景色が
いつもとは違う景色に見えるとき
そんな時がある
違う円に乗ったのだろうか?
そんな錯覚を楽しみながら
また出口のない旅を始めている
続いている
続いてゆく
出口のない旅
出口を
見つけられない
見つけたくない
そんな堂々巡りの旅をしている