ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

還元的言語連鎖と統合的言語連鎖


言葉に囚われるということは
その囚われた分だけ
視野を狭めることになる


このような言語とのおつきあいにあって
言葉を連ねることを2種類に分けて考えられる
見ている視野の中にある言葉を連ねる場合と
見ている視野の外にある言葉を連ねる場合だ


前者が還元的言語連鎖で
後者は統合的言語連鎖と表現しておく


還元的言語連鎖は
物事を深く深く理解するために用いられ
統合的言語連鎖は
物事を広い視野の下で理解するために用いられる


物事を深く見ては言葉を並べ
物事を広く見ては言葉を並べ
自由自在に言葉の連鎖を操作して
望遠レンズや広角レンズのように
思考の視野を拡大したり狭めたりしながら
仮想世界の空間を創り出す


このようにして
原子の中の物事で一冊の本を創ったり
宇宙の果ての話も一冊の本になる


そんないろいろな本が
本棚に収まり
仮想世界の港を形成している


小さな家のなかの小さな部屋の中に
たくさんの本があり
たくさんの言葉が置かれている


そんなたくさんの言葉たちは
井戸の中の蛙の友であることを
忘れてはならぬのだろう


目や耳が追い続けているのは
言葉だけではない
昔からそうしてきたし
これからもきっとそうだろう


言葉の世界の外側に世界が広がっている
言葉の世界よりも広く深く
そして何よりも
切れ目なく途切れることなく続いている


この切れ目のない世界から
言葉の意味が訪れて来たことを忘れたら
井戸の中で
言葉に溺れた蛙になるのだろう


井の中の蛙大海を知らず
されど
天の高さを知る


溺れては
何も見えなくなる
何も聞こえなくなる


五感がなくなる


寂しいことだ


還元的に物事を深く眺める目
統合的に物事を広く眺める目


そんな目や耳や鼻があってこそ
言葉の操作性や
言葉の広がりが
生き生きとした仮想世界を創りだす


言葉は言葉のみで生きられない存在だ

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