ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

独立していないということ


身体の内側で
細胞たちが
競争と調和を繰り返している


私の細胞たちは
皆私のクローンだ


クローンである細胞同士が
競うように
細胞分裂をしたり
場所取りをしたりしながら
身体が維持されている


基底膜に張り付いている表皮細胞は
細胞分裂を繰り返し
そこから剥がれ落ちさ細胞は
やがて垢となり
表皮から剥がれ落ちてゆく


赤血球は
酸素を運ぶ機能があるという
ただ延々と酸素を運ぶ
これも私のクローンだ


様々な細胞たちが
同じクローンでありながら
私の体の中で
違う運命をたどりながら死んでゆく


細胞たちにしてみれば
私は神なのかもしれない


神に尽くしながら死んでゆくしもべたち


その死に支えなられながら
他のクローンたちが存続してゆく


このシステムにおいて
クローンの間に平等や自由はない
でも
それが
公正ということなのだろう


神のもとに公正があり
個々の存在には
競争と調和が埋め込まれ
平等や自由は抑制されているのであろう


個はあくまで奉仕する存在であり
独立していないということなのだろう


私の魂が独立を欲しながら
独立しえない身体を批判する


これ悲しくて惨めなことである

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