人の群れに飲み込まれ
人は
人の群れに飲み込まれながら生きている
このことを懸命に否定しようとするのだけれど
人の群れから零れ落ちた自分の無力さに
ただ
怯えることしかできない
だからだろう
群れに
人は群がりつづけ
膨れ上がり成長してゆく
時に
その姿に恐怖して立ち止まり
立ち尽くし
再び
自分の無力さに立ち返る
人は
人の群れに飲み込まれながら生きている
飲み込まれた群れの中で
不本意を感じつつ
群れの中で立ち尽くす
はるか昔も
そうであったのだろう
群れの中で
過去を夢見て立ち尽くす
私は
どこへと流されてゆくのだろう