ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

尊厳の根拠としての空


アリ地獄から
抜け出そうとするアリの必死の姿から
アリの感情を思いやる


逃げようとして
必死でガラス窓にぶつかりながら
羽を震わすハエやハチ
その逃げようとする熱情は
何処から湧き上がっているのだろう


五感の神経の構造は
哺乳類と昆虫で
同様なものだという


生命の尊厳と
人間の尊厳の差異は
何を起源にしているだろう


「私は悪くない」
「私は正しい」
自己肯定意識が命を正当化している


おそらくは
大腸菌にも備わっているであろう
この自己固定システムにより
人間は他の生き物と比べている


大腸菌の辞書にも
昆虫の辞書にも
「自分は正しい」の文字はあっても
「人間は正しい」の文字はないに等しいのではなかろうか


根拠のなき肯定が
生命を
人間を
支えている
私も
それに支えられている


空即是色である


意識は恣意である


言語の
形状と意味の関係のように恣意である


その恣意の自由の中で
花開く芸術に魅せられて
私は何とか生きている


きっと虫たちもそうなのだろう

×

非ログインユーザーとして返信する