人間に
制御できることは
何だろう

「もっと明るく照らしておくれ」
そう言葉を
太陽に投げかけても
答えてはくれない

「雨よ、止んでおくれ。川があふれそうだ」
沿う言葉をかけても
雲は流れ去ってはくれない

それでも
人は
言葉を操り
世界を操ろうと懸命に努力する

神様に向かい
祈りを捧げる

心の中で
言葉をつづる

人間が
制御したいものは
何だろう

腕の力で
技術の力で
言葉の力で
制御したいものは何だろう

心の中から
言葉が沸き上がる

言葉でないところから
言葉が沸き上がる
そして
言葉を投げかける

言葉が届く世界へと
言葉が届かない世界へと
言葉を投げかける

工夫を凝らし投げかける
通じなければ
言葉を練り直し
再び投げかける

大きな大きな外の世界へと投げかけて
その大きさに立ち尽くす

人間に
制御できることは
何だろう

言葉には
能動的な言葉と
受動的な言葉がある

人間は
限界を知っているのだろう

知りながら
その限界の外へと
能動的な言葉を投げかける

空回りしようとも
懸命に工夫を凝らし投げかける