反復と崩壊のデジャブ
地球も太陽も
ひたすらに崩壊の過程を突き進んでいる
逆戻りする力はない
太陽と地球をやり直すとしても
それらは
今の太陽や地球ではなく
別の恒星と惑星だ
そこに生命が誕生するかどうかの保証はないし
ましてや
また人類や私が生まれ変わる保証はない
ひたすらに崩壊の過程を突き進んでいる
時代は繰り返すが
同じにはならない
似たようなことが起こるに過ぎない
*
生命活動は
崩壊の上に漂う循環現象だ
無くてもいい存在が存在を続ける
この無意味なることに意味を添え続け
生命が連綿と継続している
むろん
無意味なることに意味を付加する努力には
苦労が伴う
生老病死の苦労が伴う
虫も
苦労を背負いながら生きている
どうせなら
愉しい無意味がいい
*
桜の便りに微笑み
散り行く桜を惜しむ春が来た
桜も
苦労を重ねて咲くのであろう
そして
散ってゆくのだろう
*
いつか見た景色が
過ぎ去ってゆく
この景色はまた訪れてくれるだろうか?
そう思いながら見送った
私もそう思いながら
見送られているのだろう
夏の野に
蟻が懸命にさ迷っている景色がある
その蟻が時に立ち止まりまた歩き出す
なにか懐かしい気配を感じたろうか
無意味なものが
無意味ではない何かを感じながら
季節を繰り返す