ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

正義の変遷


新型コロナは人類の敵である
確かに!
しかし正確でないところもある


正確には
このウイルスに耐性のない人間の敵であり
このウイルスに耐性のある人間にとっては
それほど忌み嫌う敵ではない


コロナウイルスに耐性のある人は
恵まれた人だ


社会は
恵まれた人と
恵まれていない人が混在して形成されている


ロールズの正義論に
「無知のヴェール」という概念がある


自分が
恵まれているのか
恵まれていないのかがわからない
そんな「無知のヴェール」を被った状態で
正義を考えなくてはならないという


ロールズは
正義には
コストがかかるともいった


恵まれていない状態から
恵まれる状態へ移行するためには
コストがかかるのは当然だ


このコストの負担を
社会が負うべきか追わぬべきかを議論する場で
「無知のヴェール」を脱ぎ捨てると
大筋賛成各論反対の大騒ぎになる


集団免疫が出来上がる過程で
新型ウイルスは
ただのウイルスになってゆき
やがてコストをかける対象ではなくなってゆくのだろう


コストを無限にかけられない現実の中で
マジョリティーが
マイノリティーへかけるコストを削減し
正義は
やがて色褪せる


時代が
正義を変遷させてゆく


今の時代の正義として適応すべきか否か
この個人の問題が
それぞれの時代に浮上してはまた消えてゆく


この繰り返しの中で
恵まれる側の岸の人々のための
社会が姿を変えながら存続してゆく


社会に頼ってばかりはいられない


自らの足場のために
コストを惜しんではならない


コストはお金ということではない
努力だ

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