ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

鏡を眺める様に


鏡は平面で
その平面の向こう側に
鏡が映し出す世界が広がっているように見えるのだけれど
鏡を取り外せば
鏡の平面の向こうに存在していた世界はたちまち消失する


そんな消失してしまう鏡の世界に向かって
自分を映し
自分を見つめたりしている


映像や
言葉が描く世界も
鏡のように消えてなくなる世界だ


そんな世界の中に入り込み
自分を探し出したりする


鏡像の中に
自分がいて
良きにつけ悪しきにつけ
向かい合う


そんな鏡像のなかで
思考世界も渦巻き試行錯誤を重ねている


そんな消えゆく鏡像の中に
他人が私の中で立ちあらわれるように
私も他人の中に立ちあらわれて
しだいに
他人は私を映す鏡ともなってゆく


そんな人間社会の循環と同じように
動物たちにも
様々なものを写す鏡を持っている


人間を映す鏡を持っているらしく
人間を恐れる動物もいれば
人間を恐れぬ動物もいる


虫にもそんな鏡像を持つのだろう
蚊のように寄ってくる虫もいれば
蝶のように逃げ去る虫もいる


私は
私の持つ鏡に映った言葉を汲み取る


人間が操る本物の言葉だけではない
様々な表情や行為が鏡の中で言葉として顕れる


そんな鏡は歪みたわんでもいるのだろうし
言葉を汲み取るザルも隙間だらけだ


それでも
懸命に言葉を汲み取り
言葉を紡ぐ
言葉で紡がれた世界に
私の心地よい居場所を創るためなのだろう
鏡に映った世界の中から
言葉をすくい
言葉を紡ぐ

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