ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

トリプルワールド96


イデアは静止した永遠不滅の存在らしい



「歩く」という言葉がある


この言葉は
歩かずに静止している


静止している「歩く」という文字を見ていると
「歩く」が
永遠に続いてゆく


「生きる」という言葉も
「歩く」と一緒に静止して
一緒に続いてゆく


「歩く」も「生きる」も
動かない
だから
歩くのをやめても
生きることが終わっても
過去のままで
今の状態にはならない


言葉を動かさないと
今の状態には追いつけないということだ


今に追いついて
未来へと追い越してゆくために
言葉を動かしてゆく



文字の世界が
物質の世界と
併存している


それぞれが
刺激となり
反応しては
世界が
併存している


並存せず
刺激も与えず
反応もしない世界は
他の世界に気づかれない


そんな世界が
地球の果てはあるのだろう


未知の生き物が
そこにあり
ひっそり静かに
自分たちの世界を広げている


ガラパゴスよりも
きっと個性的に
独自の世界を拡げている



「人間」というイデアがあって
「猫」というイデアがあって
「三葉虫」というイデアがあって
生きていても
死んでいても
絶滅していても
辞書に載っている


今の状態に言葉を合わせるには
絶滅してしまった「三葉虫」を
辞書から消さなくてはならないだろう


「人間」という言葉も
数個しか掲載されていない


「三葉虫」という言葉や
「人間」という言葉や
「猫」という言葉を
生きている数に動かすのは
辞書の仕事ではない


言葉の仕事は
永遠不変を演じることなのだろう


動かすのは人間の役割だ

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