とびきりの存在に魅せられて
その存在を追い求めることはありがちなことで
なぜそうなってしまうのかわからないまま
多くの動物が
とびきりの存在に反応して
その存在を追い続けている

生命現象は
このような能動的な動きに満ちている

心臓が拍動しているのも能動的で
機能に満ちている

機能は
目的を追求しながらの能動的な動きだ

血液を送るということは
飛び切りなことだ

生命が存在しなければ、目的はないのだろう

その目的に向かい
生命は能動的な反応を繰り返す

未来を描かなければ
目的は不要だ

生命には生き延びるという目的がつきまとう

命が目的を描き
その目的が
逆に
命を描いている

この円環的な循環の中で
時が過ぎ
結果として
生命が
過去から今へと続いてきた
そして
命が
未来へと続く

繰り返しになるが
油断をすれば
すぐに途切れてしまう
目的と手段の円環的循環の中で
途切れなかった手段が
命としての目的を描いている
そして描かれた命が
次の目的を描き
円環的循環を未来に紡いでいる

命は
そもそもが
ダメでもともとなことを
能動的反応で紡いでいるところがある

この危うい道を
失敗しながら
様々な手段で
命を紡げてきたから
今、命がある

命を紡ぐ能動的反応が続いてゆくためにあるひとつひとつの能力が
命として引き継がれてゆく欠くべからず命の勲章であり
とびきりな尊厳だ

目を開き
美しいものと醜いものを区別している
このことにも
どこかで生き易さを求める目的が背後に隠れている

命の勲章は
身体の奥底で開かれたパンドラの箱のようなものなのだろう

命の残忍さや醜さも希望も
命の勲章として
進化の過程で
身体の奥底に収められてきたにちがいない