ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

正誤判断:理想の思考と現状の思考


誰しも
出来れば知られたくない
恥ずかしい過去を持っている


ちょっと恥ずかしい出来事や
とても恥ずかしい出来事


程度の差はあっても
恥ずかしい出来事は
知られたくないし
自分でも忘れてしまいたい


思い出すだけで
いたたまれなくなり
穴を掘って隠れたくなることもある


実際に穴を掘って隠れることはできないので
私はよく
布団の中に潜り込み
「あれは嘘だったのではないか」と思い込んでみたりした


しかし
どんなに頑張っても嘘とは思い込めず
「あれは仕方がなかったんだ」と言い訳に思いを巡らすことになる


失敗の原因を思い起こしながら
「あいつがいけないんだ」などと責任転嫁をしてみたりもする


布団の中で
眠れぬままに
あることあらぬことに思いを巡らせ
その失敗により来るべき未来への影響におののいてみたりする


こんな思い出は
若いころに多かった


歳をとると
諦めも早いのかもしれない


諦めることに慣れているのかもしれない


あるべき姿の理想が
歳とともに現実的になってきたのかもしれない


若いころ
背伸びして
自分を高い基準に置いていたのだろう
できもしないことを夢想して
出来ずに落ち込み
布団の中に潜り込んだ


成長するということは
そういう無謀な努力の賜物なのだろう


歳をとり
恥ずかしいことが減ってきた
きっと
成長も止まってきたのだろう


だから
衰えてゆくのだろうか
それとも
衰えるから
恥ずかしさもなくなってきたのだろうか
そんなふうに
衰えた自分を
衰えた私が考えている


もし
衰えた私を
若い自分が見たら
何を思うことだろう?


歪んだ眼が
歪んだものを見ても正しく見えるから
ある意味幸せだ

×

非ログインユーザーとして返信する