対応的同一:互恵的対応関係の束
忠義は
時に
悪徳を容認する
忠義のための悪徳を否定できないからだ
この否定されない悪徳の被害者は
「忠義は悪徳だ」と泣き叫ぶ
ここに
忠義=悪徳の公理が
局所的に創造される
同じように
正義も悪徳となる
全体の利益に報じる功利主義の局所では
不利益が渦巻く
個人は
局在しながら
全体を眺めつつも
自分の置かれた局所に戸惑い続ける
いいことばかりではない
いい時ばかりではない
それでも
命たちは未来へと
命を構成する対応関係を運び続ける
不均一の状況に晒され
犠牲を払いながらも
互いに支え合う対応関係の束を
未来へと運び続ける