ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

再現競争:翻訳を仲立ちする存在


例えば
日本語から英語に翻訳する時には
日本語の意味を頭に浮かべて
その意味に沿った英語をあてがうことになる


反対に
英語から日本語に翻訳する時にも
英語と日本語に共通する意味を
頭の中に思い描く


このように
意味を仲立ちとして
英語から日本語へ
日本語から英語へと
双方向に翻訳することができる


日本語にも
英語にも通用する
この意味という存在こそが
言葉の本質であり
日本語や英語は
その尾ひれであるという考えもできよう


しかし
この意味という存在には
つかみようがないところがある


日本語あるいは英語の表現としてしかできず
意味そのものを表現できないからだ



現実にある風景を描写して
文章として表現することができる
これは
現実から言葉への翻訳だ


文字であらわされた文章を
絵画として描きなすことができる
これは
言葉から絵画への翻訳だ


文字であらわされた文章を
現実の動きとして実践することができる
これは
文字から現実への翻訳だ


現実からの翻訳
現実への翻訳
この双方向への翻訳の中立として
意識が活躍している


現実と文字は
英語と日本語のように
翻訳を仲立ちする存在により
同一を模索されている客体だ


このように考えた時の主体は
現実や文字や英語や日本語を再現し増産するシステムだ


このようなシステムの稼働により
たとえば「赤信号では止まる」という行為が大量生産され
社会秩序が保たれている


「黄信号では止まる」というシステムが大量生産されれば
黄信号で飛び込む車は減るということなのだが
「黄信号では止まる」というシステムが
「黄信号では突き抜ける」というシステムと競合しているから
「黄信号では止まる」というシステムが
「赤信号では止まる」というシステムほど稼働できていない


再現するシステムが競争しながら
円環的に現実を変えている


黄信号で飛び込む車が多ければ
その現実を文字に変えるシステムが稼働し
この文字が
黄信号で飛び込むという実践を再現するシステムを稼働させる
逆に
黄信号で止まる車が多ければ
この逆の実践が増加してゆくことになるだろう


このように
文字と現実の間を取り持つ翻訳の頻度が
秩序を維持し
あるいは変えてゆくことになる


再現するシステムの稼働頻度が
秩序を維持し
あるいは次の時代の秩序を興隆させてゆくバロメーターだ

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