ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

再現競争:同一を再現する生存競争


世界に同じものが二つとない場合
1+1の
左側の「1」と右側の「1」も
それぞれが同じではないことになるはずだ


5個の石を河原で集めて
一つの塊を作る
そして
もうひと塊
5個の石を河原で集め
この二つの石の塊を
同じものであるのか
違うものであるのか、を考える
すると
数字を
そのまま現実世界に当てはめることができないことを
容易に想像できる


そこで
碁石のように石を磨き
同じ姿かたちの石を大量に作り
それぞれ
どれもこれもが同じであるとして扱い
数字や規則が機能するように
現実を仕立て上げ
数字や規則が機能的であることを証明したりする


「同一が存在する世界」が作り上げられているのだ


言葉が成立するのも
このような「同一が存在する世界」の出来事だ


言葉が指し示す存在がいくつもあるから
その言葉が便利に汎用される


河原の個性的な石たちが
それぞれの名で呼ばれず
どれもこれもが「石ころ」と称され
それぞれが同じ「1」になる


言葉を使うたびに
このような「同一が存在する世界」が再現される


そして
言葉に従うたびに
同一化された自分に向き合うことになる


生き物は
みな
それぞれに違う存在でありながら
それぞれに同じ存在になろうと努力を重ね
帰納法を信じ
それを実証するために
必死で生き抜く存在に見えてくる


私も
私のご先祖様たちが生き延びられたのだから
私も何とか生きながらえると
なぜか信じ
それを証明するかのように生きてきたし
これからも
このようにして生きてゆくのだろう

×

非ログインユーザーとして返信する