情報は再現競争の主役であり産物だ

優れた物語が
時間を乗り越え伝えられる

発する側と
受け取る側で
再現されながら
長い歴史を乗り越えてきた物語は
数え切れぬほどたくさん
再現されてきた

物語は
受け取られたら
また発せられ
発せられたら
また受け取られなければ
その伝承は途切れてしまう

その都度
情報は媒体から再現される

媒体は
語られる声であり
記憶であり
文字である

情報は媒体から
媒体へ変化られ続け
それぞれの媒体として再現される

情報は媒体であり
媒体が異なっても
同じ情報として扱われる

語られる情報も
記憶された情報も
文字の情報も
みな同じということになる

異なるものを同一なものとして扱うシステムが
情報の前提となっている

遺伝子工学が発展し
ATGCの文字が遺伝子として記載され
それが特定の生物を表すことができるようになってきた

私も
名前ではなく
遺伝子の塩基配列として記載できるようになるのだろう

情報は
媒体から媒体へ変換されながら
後世へと伝えられている

その変換過程は
運ばれる情報の内容とは無関係であるのが一般的だ

しかし
情報は何らかの恩恵を運んでいるから
伝承されてゆくのだから
この恩恵の連鎖の一環として
情報媒体の変換機能が維持されているのだから
全く関係ないということもないのだろう