ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

再現競争:再現競争の舞台としての独我論


動物たちにも
絆を結びあう精神があるのだろう


哺乳類の親子
殊に母子の絆は深い


授乳を通じて
肉体的なつながりがあるだけではない
離れていても
互いに求めあい
探しあい
その距離が広がらないよう
互いに近寄りあっている


小魚や
小鳥が群れを成していることがある


体が触れ合い
一塊の群れができているのではない


おそらく
目で仲間を見ながら
空気や水の動きを感じながら
群れから離れないようにしているのだろう


それぞれの個体が
自分ではない他個体を
自分の感覚として
身分の中に取り込まなけらば
群れは形成されることはないだろう


哺乳類の母子も
互いの相手を
自らの心の中に抱いているのだろう


他者を
精神の中で再現しているということだ


細胞も
他の細胞を意識しているから
臓器の形や
顔かたちが整っているのだろう


このような絆の延長として
私も
私を知る人に再現されているのだろう


私は唯一なのだけれど
きっと様々な私が再現されているのだろう


私自身の中にも
様々な自分が再現されるのだから
私の唯一性は
どこに錨をおろせばよいのか
解らなくなってしまうことがある


私の頭の中で再現されるとある私が
肉体である私を攻め
支配し
それこそが「真の私」であると主張したりするから
なおさらだ


そんな
不安定な私に
私の中の他者がまたあれこれと指図する


何が本当で
何が嘘なのか混とんとした世界の中で
私は私を探し続けていくのだろう


独我論も
きっと
このような
混沌とした再現競争の舞台の一つだ


仮想する様々な絆が
結ばれ
離れ
再び結ばれる


このような暗中模索の舞台の中で
ひとり
ひとり
それぞれに
母は子を求め
仲間求め
絆を探し
時として
絆が結ばれ
再び離れてゆく

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