尾と鰭を
協調的に動かして
金魚たちが
落とした餌に集まってくる

この金魚たちは
尾と鰭を動かし続けるためのエネルギーを得るために
尾と鰭を動かし集まってきた

尾と鰭は
自分たちの努力で得た餌のエネルギーを独占したりしない

鰓や心臓や内臓のためにも
餌から得られるエネルギーが供給される

尾鰭は他の臓器のためにも強調して動いているのだ

尾鰭の利他行動だ

金魚は
このようにして
獲得したエネルギーを
それぞれの臓器に分配している

はたして
どのような割合で分配しているのだろう？

一般的に
より太くたくさんの血管を招き入れた臓器は
よりたくさんのエネルギーを獲得できる

このような原則の基で
各臓器の間で血管の誘致競争が繰り広げられ
うまく均衡がとれるよう進化しきてきたのだろう

しかし
そんな均衡も崩れてしまうことがある

がんだ

がん細胞は
過剰な血管を誘致することに成功した細胞群だ

この過剰な誘致により
相対的に他の臓器へのエネルギー供給が細くなり
様々な障害が生まれることになる

がん細胞たちは
この既得権益を利用して
増殖する

増殖すればするほどに
血管の誘致も有利に進めるのだろう
ますます他の臓器は窮地に立たされることになる

このように
がん細胞の血管誘致や増殖の能力が高いほどに
他の臓器にとってがんは悪性なものとなる

機会平等か結果平等か
の
どちらが正しいか？
という議論がある

能力を発揮することにより得られる富は
すべて利己的に消費してよいものだろうか？