内部と外部:国境を超えると異文化だった
台風と台風でない場所の境界は
あいまいだ
低気圧と高気圧の間にも
境目というものはあるのだろうが
はっきりとはしていない
地形でいえば
どこからが山で
どこからが谷なのか
はっきりしないようなものだ
山の中腹の同じ場所でも
山頂を中心に眺めれば山の一部で
谷底を中心に眺めれば谷の一部になる
地政学的に眺める文化圏も
同じようなところがあるだろう
が
両文化圏にの間に
相容れない矛盾があると
境界をはっきりさせないと不便なことになる
車が
右側通行なのか
左側通行なのかは
きちんと決めておいてもらいたい
大きな山や
大きな川
海に文化圏が隔離されれば
このような境界は
自然に形成されるのだろう
が
陸続きであったりすると
人為的に線を引く必要に迫られることになる
どちらの文化圏にも融和的なあいまいさは
場合により悪とされ
処罰の対象になったりする
踏み絵など
白黒をはっきり明示させられたりする
山の中腹が
山なのか谷なのかはっきりしろ
と
いわれるようなものだ
日常は
様々な文化の混在からできている
家庭生活もあれば
趣味の生活もある
会社の生活も
一人の時間もある
そこで
公私の区別をつけなさいということになる
戦争は
公私の区別をつける営みの一つなのだろう
公であるべき時間に私事ばかりしていると
叱られ
度が過ぎると刑罰を食らう
国境がはっきりしている方がよいように
公私の時間の境目は
公然としていた方がよいということになる