ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

妄想と現実:意味は妄想


言葉の意味は妄想だ


「餅」という言葉を眺めると
頭の中に
絵に描いた餅が現れる


本当の絵に描いた餅とは違って
臭いもあるようだし
やわらかさも本物そっくりだ


食べようとすれば食べれるけれど
腹はふくれたきになっても
実際の腹は膨れない


そんな絵に描いた餅が
言葉の意味の一環として現れる


言葉の意味は妄想だ


ここに二人の人間がいて
同じ「餅」という言葉を眺め
同じ意味を妄想する


間主観性の成立だ


完ぺきな看守歓声であるとは限らない


同じ餅を妄想することもあるだろうが
違う餅を互いに妄想することもあるだろう


それぞれが妄想した餅を語り合い
「餅」という言葉に
この二人の間に共通項を探し
それを
「餅」の意味に加えてゆくことができる


丸餅なのか
角餅なのか


地域文化の違いで
「餅」という言葉が運ぶ意味にも違いができる


餅の話をする相手により
餅の意味は変わってゆくのだ


言葉の意味は
そんな妄想だ


そんな妄想が手を動かし
もち米を蒸かし
餅をつき
餅を丸めたり伸ばしたりする


妄想が
角餅を作る
あるいは
丸餅を作り出す


その食べられる本物の餅が
記憶となり
「餅」という言葉に
新たな妄想の種をまく


言葉には
次から次へと妄想がまとわりつく


この取り巻きの中で
言葉は輝きを増してゆく


その存在意義を増してゆく


妄想のない言葉は
ただの文様であり音である


言葉を操る人間は
妄想能力を著しく発達させた動物だ


妄想ができなくなったら
なんともつまらない現実ばかりに囲まれることになる


もっと妄想を!
もっと力強い現実のような妄想を!
と願い続ける

×

非ログインユーザーとして返信する