ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

欲望と自由:戦略としての束縛


人間には
「助けてもらいたい」
という欲望が備わっている


そして
「助けたい」
という欲望も備えている


だから
他の動物よりも
人間には「助け合い」が高頻度に観察される


助けられることを
それに
助けることを当然のことのようにして
生きているのだ


親が子を育てることの
延長だろうか?


仲間を育てながら
守っている


親が子を記憶して
助けるように
恩義の記憶が
助け合いを促している


あるいは
仲間であることの徴が
助け合いを促している


人間は
助けを得るために
そして
助けを施すために
徴を求めあい
生きている


そして
その徴に束縛される


笑顔には笑顔を
「おはよう」には「おはよう」を


自由であることは
仲間を失うことでもあり
仲間を作ることは
重荷を背負うことでもある


景気が良い時には
お金を借りてくれと
親しくしてくれた銀行も
景気が悪くなると
助けてはくれないという


利用価値が減退すると
仲間から外されて
裏切られる


そんな物語が
もっともらしく語り継がれる中で
仲間を作ることを辞めるのではなく
仲間との絆をより深め合う


こうして
笑顔には笑顔を
「おはよう」には「おはよう」を

支え合い
人間が生きてゆく


仲間がいないと
強くなれないのだから
仕方がない


弱いながらも
生存競争の強者を目指すのだ


これが
戦略としての束縛が
さまざまに実存の足場を築いているのだろう


災害現場では
被災者が救出され
あるいは
励まされている


これほど助け合う動物は
そうはいない

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