ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

現象と構造:誘導する道しるべとしての実存


生命は
いくつものレパートリーを持って生まれてくる


そして
そのレパートリーの中から
何かを選択しながら生きている


細胞性粘菌は
菌として生きているが
生活環境が悪化すると
菌が集まり寄り添い
ナメクジ体と呼ばれる塊りになって
移動を始める


この塊が移動をやめ
胞子体を形成し
よろしくない生活環境を乗り越え
環境が改善すると
胞子をまき散らし
一つ一つの胞子が
菌として活動を始める


細胞性粘菌は
菌であることも
ナメクジ体であることも
胞子体であることもできる


個々の菌が
環境や周囲の菌の様態で
どの様なレパートリーを選択し
実践してゆくのかを決めているようだ


このような選択と実践が
現象として
細胞性粘菌の生活環の中で
観察されている


生活環が循環する構造の中で
その循環を維持する
様々な現象が適切に
連帯し
連鎖しているのだ


人間の生き方にも
様々なレパートリーがある


周囲の人との協調的連帯のため
特定のレパートリーが選択され
そのレパートリーに従い
様々な行動を連鎖させている


このような連帯と連鎖により
社会の構造が維持されながら
社会が循環している


このような構造の中で
たとえば
男の役割や
女の役割が議論されたり
その意義や
その弊害が議論されている


後輩はこうあるべき
先輩はこうあるべき


上司たる者
部下たる者かくあるべし


各種正義や
倫理道徳法律といった
様々な実存が
レパートリーの選択を誘導し
社会を維持し循環させている


身分制や
人種等による
各種差別もこのような実存だ


実存が
自由を制限しながら
秩序を維持しているということだ


多様な文化が
最適解を求めるかのように
自由と秩序の間を揺れ動いている


この試行錯誤のなかで
維持される実在が
社会の本質と評価されることになるのだろう


一時の流行ではなく
持続しながら繰り返される現象が
軸となり
構造が維持されてゆくようだ


細胞性粘菌も
社会も
このようにして
時を超えてきた
素晴らしいレパートリー群を
維持している構造の主体である


「お兄ちゃんでしょ」
「まだ学生なんだから」


様々な実存が理由となり
自由を押し込める

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