ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

現象と構造:自己満足と利他的奉仕の両立


人間は上品だ


あさましく肉を食らうのではなく
あくまで美しく肉を食らう生き物のようだ


命を大切にする清らかさを
命を大切にする尊厳の中で
命を殺め
それを食らうのだ


欺瞞の中で
美しき悪事が蠢く


這いつくばり
肉を食らうのと
テーブルの上の肉を
頂くのは
同じことであり
異なる所業だ


礼儀作法の構造が
弱肉強食の世界を
美しい善の世界へと昇華させている


相容れないような現象を
礼儀作法の中で共存させる


客観的に評価できる形式を重んじ
心の中の欺瞞や
野蛮な目的を
闇の奥へと追いやろうと努力を重ねてきたのだ


光が強いほど
影は暗くなく


形式に彩られた華やかさに
冷たさを感じてしまうのは
その形式になじめない負け惜しみだけではあるまい


形式を整えた巨悪がはびこる世界が
しばしば荘厳な物語として描かれる


表面的な美しさへの警告を
このような物語が教えてくれる


欺瞞を操るゆえに
人間は制度を欲し
それを整えた


すると
その制度を悪用し
制度的に正しい悪を実践する輩が現れる


こうした
いたちごっこが
社会進化を推し進めてきたのだろう


自己満足のための欺瞞と
利他的奉仕の両輪が
社会進化を推し進めているのだ


片方だけではだめなのだ
両方揃って実現しようとするから
複雑な社会が進化してこれたのだ


野蛮なだけではだめで
上品なだけでもだめで
そのどちらも併せ持とうとするから
人間性もより奥深いものになってゆくのだろう


両方を満たすには
狭き門をくぐるような苦難を伴う
どちらかに偏れば
車輪の下に轢かれて弾き飛ばされてしまうのだろう

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