ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

現象と構造:実践と記憶の連帯


選択肢が多いと
却下する選択肢も多くなる


それが悪であるから却下することもあり
善であるにもかかわらず
却下せざるを得ない事情がある場合もある


他者の都合で却下することもあり
自己都合で却下することもある


他者にとっての善で自己のとっても善
他者にとっての悪で自己にとっても悪のような場合は
却下するしないの判断もしやすいが
他者にとっての善で自己のとっては悪
他者にとっての悪で自己にとっては善といった場合に
却下すべきか否か判断しにくくなる


他者にとっての善で自己のとっては悪の場合
自己が他者に隷属するようで許容しがたいし
他者にとっての悪で自己にとっては善といった場合
これを却下しなければ
他者を裏切ることになる
他者が社会である場合には
窃盗や強盗など
犯罪となるような場合にもなりかねないケースだ


自分を殺してまで他者に奉じるのか
他者を犠牲にしてまで自己を主張したいのか


選択には
こんな悩みがついて回る


他者と自己の狭間だけではない


あちらを立てればこちらが立たず
こちらを立てればあちらが立たず


こんな事態はよくあることで
あちらにも
こちらにも
中途半端な対応をせざるをえないことがある


思い切り気を使って両立しようとして
どちらからも感謝されればよいのだけれど
どちらかも不満を漏らされることになりかねないから
選択するということに苦痛が伴うことがしばしばある


選択肢は
あちらの構造
こちらの構造
他者の構造
自己の構造から
それぞれやってくる


未来への選択肢は
矛盾があっても併存するから
選択肢である


選ばなければならないのは
とある時間の現実に存在できることが
限られているからだ


同じ時空で
あっちもこっちもと言う訳にはいかない


それぞれの構造は
過去の記憶として
未来の予定として実存するのだが
現時空に存在するとは限らない存在で
選択権を個人に与え続けている


選択の義務を
個人に押し付けている


これを回避したければ
誰かの言いなりになるのがいい


できれば
その選択の責任を全部引き受けてくれる人の言いなりがいい


その選択が
自分の都合に合致していれば
なおのことありがたい


それで苦しむ人がいても
責任は選択者であり
実行者の私ではない


こんなことを考えながら
選択がなされてゆく


人間は賢いから
愚かな選択をも合理的にできる生き物らしい


祖国のためになら人殺しも善になる


祖国も
言語圏も
憲法も
一つの構造だ


たくさんの構造の中で
何を選択しているのか
何を犠牲にしているのか


中途半端な方が良いのかもしれない
極端の方が良いのかもしれない


情熱的すぎないか
冷淡過ぎないのか


人の数よりたくさんの選択肢があり
選択され実行された選択肢が
記憶を変え
その記憶が関連する構造に変質をもたらし
構造の総和としての環境を変えてゆく


DNAに刻まれた記憶の構造も
同じように実践の記憶が
DNAの記憶の総和を変質させてきた


実践と記憶の連綿たる関連の中で
私は生まれ変質し続けている


今日の朝食は何を食べよう?


この選択肢にも
未来への扉が隠されているはずである


何を食べようが未来は変わらない
こういう感覚は気のせいということになるのだろう


永劫回帰


同じことを繰り返しながら
それでいて少しづつ変遷している

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