ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

現象と構造:推測の繰り返し


自分の気持ちはわかるが
他人の気持ちは
推測するしかない


しかし
この推測により
他者との関係が成立している


この関係の維持がうまくいけば
きっと
相手の気持ちの推測が
うまくいっているのだろうし
この関係の維持がうまくいかなければ
その原因として
相手の気持ちの推測が
うまくいっていないことが考えられる


そうなものだから
相手との関係を維持しようと努力する中で
相手の気持ちの推測する能力を
高めてゆくことになる


そして
より正確に気持ちを推しはからいながら
相互の関係がより高度に成立してゆく



このような
関係維持の構造は
身体内の臓器間でも成立している


臓器が相手の気持ちを推しはかっているか否かは
さておき
相手の臓器の状態に応じて
自身の状態を変えることにより
相互の関係が維持されている



猫と
猫の買主の間にも
このような関係維持の構造がある


相手の動きに応じて
自身の動きをより適正なものにしている


時に逃げ
時にすり寄り
猫は買主をほんろうしながら
猫と人間の間の距離感が維持されている


猫は飼い馴らされ
猫もまた
飼主を飼い馴らしてゆく



人間と物質の間にも
このような関係が成立している


人間は物質を
眺め
いじり
自身の動作と
対象の反応から
対象の現象を推測する


対象の現象を完全に理解するのではなく
他者の気持ちを思い諮るがごとく
対象の性質を推測する


この推測の繰り返しの中で
推し量られた対象の性質を利用して
その物質との関係を構築している


この推測に誤りがあれば
その物質との関係がどこかで破綻するが
この推測が正確ならば
その範囲でその物質を都合よく利用できる


全てを了知している全能ではないがゆえに
人間は推測を重ね
その推測の成否を確かめている


こんな試行錯誤が
全能ではない生命の根幹にあり
生存競争を通じて
構造が合理化し
合目的化してゆく


とすれば
うまくいかないことがあるということは
この構造化の過程にあるということになる


全能ではないが故の宿命である


試せるだけ試すより他はない


たくさんのカエルの卵が
池の中に産み落とされる


これらの卵がすべて大人のカエルになれば
すごい数のカエルが上陸することになるが
そうはならない


この中のほんの数匹が
大人にまで成長するという構造が
維持されている


どのくらいの数の卵がを産めば
今の個体数を維持できるのか?
その答えを
カエルの構造は推測しているのだろう


推測を繰り返すということは
そういう結果論の集積だ


AIが
データを欲するように
理性も経験を欲している


推測のために

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