実体を言語化するという反応と
言語を実体化するという反応がある

そして
自然を言語化する自然科学
言語を実体化する応用科学がある

応用化学は
自然を人工的なものへと変えてゆく

この人工的なものには目的がある

言語化と
実体化という反応の連鎖が高める秩序性の中で
目的が醸造されている

秩序性の高い反応の連鎖は
目的を達成し続ける一方で
目的外の現象をも産出し続ける

二酸化炭素や
核廃棄物を含めた産業廃棄物が
自然に戻され
自然を改変してゆく

実体は
目的の事象のみならず
目的外の事象を含みながら進展する一方で
言葉は
目的の事象を強調し
目的外の事象を軽視しながら
資本を呼び込み
資本の動きが
その目的の事象が正当化されてゆく

言葉は
実体ではない

実体でないがゆえに
夢があり歪みがある

この夢と歪みを
自然が淘汰選択してゆく

規則的な反応が連鎖する局在の内部に
目的たる事象を取り込み
その外部に
目的外の事象を排泄しながら
局在が成長すれば選択であり
局在の反応連鎖が滞る様になれば淘汰である

目的にばかり目を囚われると
目的外のことでつまずき
「そんなつもりはなかった」と後悔したりする

言葉になることは
目的に沿った都合の良いことばかりでも
現実は厳しい

この歪みと夢の中で
生命は躍動し衰退する