ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

生命と反応:品種改良が存在価値を測る


シャインマスカットや
信濃パープル


大粒の種なしブドウが
品種改良の末に出来上がってきた


人間は
犬や猫も品種改良し
人間にとって欠かせない相棒に育てて来た


こうした人間の品種改良の能力は
同種である人間にも及んでいる


他者を
どんな人間に成長させるのか
自身を
どんな人間に成長してゆくのか
そんなことを考え
悩みながら
研鑽を積み上げ生きている


何をどう変えてゆくのか?
自分をどう変えてゆくのか?


様々な可能性を頭の中でよぎらせながら
目標に近づけようと
周囲に手を加え
その効果を観察する


そしてまた
何をどう変えてゆくのか?
自分をどう変えてゆくのか?
などと悩みながら
時間を過ごす


進化に終わりがないように
品種改良に終わりはない


何時までも
どう変えようか?
どう変わろうか?
と悩み続ける


存在価値を高めようと
悩み続ける


そうすることで
他の動物を押しのけて
人類は繁栄を手にしてきた


存在価値


品種改良されない雑草が
力強く空き地に繁茂している


これらの雑草には
存在価値が測られない


むしろ
厄介者にされ
刈り取られてしまうことすらある


刈られても刈られても
雑草はまた伸びてくる


雑草たちには
自分には存在価値がないなどと
悩みはしないのだろう


シャインマスカットや
信濃パープルはどうだろう


品種改良の末
存在価値を高めてもらったブドウの品種たちだ


人間にちやほやされながら育てられているその境遇を
どう考えているのだろう


「甘味が少ない」
あるいは
「種がある」
などの理由で「ダメ」の烙印を押された同胞たちを押しのけ
選ばれ続けた誇りを胸に
プライド高く枝を伸ばしているのだろうか?


他に良い品種ができて来て
栽培されなくなった時
彼らは何を思うだろうか?


まあ
そんな先のことは悩んでも仕方がないことだ


今、存在価値があるということが
彼らの生存価値であり
繁栄の担保である


何かに頼らなければ
誰かに頼らなければ
生き抜けない厳しさの中を生きているから
仕方ない

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