ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

生命と反応:伝承の彼方に


小鳥のさえずりや
秋の夜の虫の音にも
それぞれの意味が込められている


人間は
それらの意味を知らずとも
何の損害もないし
知っていたらかといって
大きく得をすることもない


だから
人間は
さえずりや虫の声に
自分勝手な解釈をしても
何のことはない


ところが
当の小鳥たちや
虫たちにとっては
勝手な解釈は許されない


人間が話す言葉に
勝手な解釈をしてはならないように
彼らには
彼らの掟の中で
音を発し
音を聞いている


そうすることで
彼らは彼らの掟を
引き継ぎ
伝えてゆく


この承継は
小鳥には小鳥にとっての尊厳であり
虫たちには虫たちの尊厳であり
人間には人間の尊厳として
息づいている


掟に誇りを持ち
その掟に忠誠を誓い
実践し
伝えてゆく


この伝承の彼方に
永遠があるのだろう


小鳥は小鳥の伝承を
虫たちは虫たちの伝承を
それぞれのために行い
干渉せずにいればよい


他のもの達の伝承を邪魔しなくてもよいではないか


その掟は間違っていると指摘し合わなくてもよいではないか


掟のために
他の掟に干渉し
血を流さなければならないならば
そんな掟はない方がましのはずなのだけれど
産まれてしまった掟には
それぞれの尊厳がある以上
衰退しなくなるまでには
長い時間がかかるらしい


地球を破壊するような
不遜な生き物ですら
絶滅するには
相当の期間が過ぎてゆくのだろう

×

非ログインユーザーとして返信する