ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

組織と個人:都市や街は人智の住処である


「好き」「嫌い」だけでやってゆければ良いのだけれど
「嫌い」を避けるために知恵を働かせると
その結末に「良い」「悪い」が現れる


たとえば
雨に濡れるのは「嫌」なので
傘をさす
傘をさし濡れなければよい傘で
濡れてしまえば悪い傘ということになる


だから
穴の開いていない傘は「良い」傘で
穴が開いたり骨が出てしまっている傘は
「悪い」傘である


こうして
知恵とその実践成果が「良い」「悪い」を生み
この積み重ねにより
「善」なるもの
「悪」なるものが顕われてくる


そして
「善」なる傘をさし
「悪」を掃除しながら
日常を送るようになると
知恵者の生活が出来上がる


人類は困難な時代を潜り抜けながら
「好き」「嫌い」だけの野蛮な生活から
知恵の集積した「善」「悪」のメリハリのある
知恵のある生活に変わってきたのである


こうして
空から見る都会の景色から
緑が消え
知が行き届いたコンクリートやアスファルトで
地面が覆われるようになってきた


この味気無さに
都会を離れ
野山に出て
「好き」「嫌い」を味わいたくなる


「善」「悪」に飼いならされた「好き」「嫌い」ではなく
純粋な「好き」「嫌い」に会いにゆきたくなのである


そこでは
純粋な自然の恵と禍が待っている


この恵と禍に
人智を介して接するのではなく
直に接してみたいのである


実際にやるとなると
きっと私は
すぐに懲りて引き返すことになるのだろう


あの冷たいアスファルトやコンクリートのやさしさが
すぐに恋しくなるのだろう

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