ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

組織と個人:足らざるをも愛するということ


外は
雪交じりの強風である


遠くは
白くかすんでいる


こんな天気の中で
高気密住宅の部屋の中で
ぬくぬくと過ごしていると
文明のありがたさが身に染みる


野生の猿や鹿は
今頃どこで寒さを耐えているだろう


この様に
人智の恩恵に浴しているには
むろん
認知の恩恵に報いなければならない


ここに
社会への感謝が生まれ
組織への従属を果たし
拝金へと傾倒する私が生まれる


大自然の中に放り出されたくないのである


電気や水道
お金を出せば買える様々な食料品は
私の手足のように欠かせないものである


この手足を失えば
どうやって生きてゆくのか
私は途方に暮れることになるだろう


私は
私は私の手足を求め続けるように
私の属する文明を求め続ける


求め続け
私が私の手足と連なる様に
私と文明が連なってゆく


そして
私が私の手足を気遣うように
私は私の文明を気遣い
ひいきをするようになってゆく


愛してゆくのである


その欠点をも受け入れ
それが仮に他の文明であったら
あからさまに非難するようなものでも
口をつぐみ
擁護さえするのである


私が
私自身の欠点を受け入れもらえるように
私の文明の欠点をも受け入れるのである


生きてゆく伴侶とは
そういうものなのだろう


完璧ではなくてよい
生きてゆくことが大事なことである

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