ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

記憶と実践:無分別の分別を空に思う


東の空に「生きる」ということが掲げられ
西の空に「死ぬ」ということを飾りつけられている


だから
東の空を眺めては
生きる喜びを思い
西の空を眺めては
死にゆく哀れに思いをはせる


こうした状況の中では
東を見れば西に背を向け
西を向けば東に背を向けることになる


生を眺めれば死を遠ざけ
死を眺めれば生を遠ざけることになる


どちらを眺めるということなく
心の目を瞑れば
ただ空が広がるだけになる


色のついていない空になるのである


東の空には東の空の分別があり
西の空には西の空の分別があり色がある


実践には色がある


眺めている方角の色が現れる


眺めずして実践を為す場合においても
なにがしかの方角の
なにがしかの色が現れる


無分別であろうと
実践において分別が現れる


これを避けようとすると
身動きが取れなくなる


身動きせずにいると
それはそれで実戦であり
身動きをしない色が現れる


動物行動学は
この色を眺め
動物の心をそれとなく眺めている


猫もまた
私の些細な行動から私の心を見抜き
寄ってきたり逃げたりする


心は
大きな空の一点を眺めている
すると
その一転以外の空は無くなる


だから
逃げるときは寄ることがなくなり
寄る時には逃げることがなくなる


視野の狭い心を開放し
全ての空を眺めると
私には何もなくなるだろう


東の空から太陽が昇った
すると
星が消えてしまい
月の影は薄くなりあるのだかないのだか朧になった

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