ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

山が翼をもち自由に飛んでいた


インドの神話に
  大昔には
  山にも鳥のような翼があり
  自由に空を飛んでいた
というのがあるそうな


  人々は
  山が気ままに地上に降りてきて
  畑や家を踏みつけてしまい
  困っていたそうな
  それを見かねた神様が
  山から翼を切り取って
  動かないようにしたそうな
  めでたしめでたし
  ただ
  切り取られた翼は
  今でも悲しみにくれているそうな
  そして
  山の近くを
  雲となってさまよっているそうな


山が自由に飛ぶとは
大迷惑な話だ
そんな山を懲らしめる神様は
偉大な正義の見方だ
人のみかただ


その傍らで山と雲が泣いているのだ


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メモ


大きな権力がある人が
自由にふるまうと
大迷惑な話だ


そこで
水戸のご老公様のような正義の味方が
巨悪の成敗に現れると
物語は最高潮に達する
その中で
次の二つのことが
こころを駆け巡る


  実るほど首を垂れる稲穂かな
  といった
  権力者への忠告


  耐えていればいつか救われる
  といった
  報われない人々への慰め


支配者にも被支配者にも
双方へ忍耐をいざないの物語が
古今東西にあふれている


今存在している
双方向アルゴリズムが
穏やな形式的調和を存続させてゆくためには
両側の忍耐が欠かせない


インドの神話の翼であった雲たちは
いまでも
涙を流しながら
山の周りをさまよっているのだし
山が落ちてくると思えば
雨や雪は仕方がないと
我慢の気持ちが育つから
ありがたい


様々な物語が
社会の秩序を側面支援しているらしい


権力者の方々におかれましては
山々のようにどっしりと鎮座して
こそこそと姑息に
動き回らずにいてもらいたいものである

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