今を未来に送る合目的的システム
「生きたい」という思いから始まる動きがある
この「生きたい」は
意識であることも
無意識であることもあるだろう
理性的であることも
本能的なこともあるだろう
このような
「生きたい」から始まる動きを
人間から差し引くと
何が残るだろう
*
「死にたい」と悩むのは
「死にたい」が「生きたい」を
乗り越えられないからだろう
乗り越えてしまったら
「生きたい」が動けなくなってしまう
「死にたい」にいじめられても
「生きたい」が歯を食いしばってくれているから
生きている
*
35億年の進化の歴史の中で
生物は
「生きたい」を熟成させてきた
水たまりの中に生きているミジンコの
一つ一つの細胞にも
「生きたい」が宿っている
「生きたい」に向かって
流れ込む目的論的機能が
寄り添い集まって
生命活動が営まれている
*
目的にかなう
論理や
機能を再現し続ける
情報システムが
「生きたい」を存続させている
だが
うまくいかない時もある
そんな時
悩むようにできている
死や絶望を乗り越えようと
必死に悩む
超えた先の
「生き残る」を目指して
必死に悩む
「生きたい」が本領発揮する場面である
悩みながら
工夫しながら
「生きたい」が頑張って
今の秩序を
未来へ送り続けている
カエルの声
鳥の声
虫の声
みんな
「生きたい」から
始まっている歌声だ